1月末に私の父が亡くなった時、忌引きで一週間ほど自宅にいた。
4年ほど単身赴任しているので、一週間も自宅にいるのは珍しいことだった。
通おうと思えば通える距離に住んでいるのだが、私は仕事の都合や病気のこともあって週末の夜に帰って日曜日の夜に帰る生活をもう2年続けている。
娘にとって父親がこんなに長く家にいることは珍しいことだった。
いよいよ明日帰る夜になって、上の娘が私に言った。
「お父さんいつ帰るの?」
「明日帰るよ」
娘は私から目をそらし、カレンダーを見つめながらこうつぶやいた。
「お父さんと一緒に住めればいいのに・・・」
返す言葉がなかった。